明けまして
おめでとうございます
田原家の正月の本番は毎年2日。年末は店が連日混み合う上、大晦日まではおせち料理に追われて休む間もない。必然的に自宅の大掃除は元日になってしまうらしい。
だが、昔は1月2日といえば、本家へ集まるのが慣例。新たな年を迎える慶びを共に祝い、近況を語らいながら正月遊びに興じていた。時には獅子舞まで現れて、大きな口で頭をガブリ。ほどなく天をあおいでパクパクと大きな音を出し、一人ずつ穢れを祓ってくれるのだ。大人は有難がって頭を差し出すが、子どもはひと目見ただけで大号泣。女将は逃げ出す我が子を抱きかかえ、無病息災のご利益をいただいたそうだ。
近頃は正月に親族一同が集まる光景をあまり見なくなったが、田原家も例に漏れず。いつの間にかその習慣も途絶えてしまった。今では大将が、自らふぐをさばいて家族に振る舞う日。『たはら』のおせちに続く豪華な縁起もの、羨ましい限りだ。
今年は娘さんたちが帰って来て、久しぶりに家族全員揃うとのこと。ふぐを肴に、皆で酒を酌み交わす正月も悪くない。束の間の家族団らんのひと時。リフレッシュして、仕事始めに備えるのだろう。
2016年が皆様にも輝かしい1年となりますように。